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パリの法隆寺

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新しい生活、人生の転換期


どうも、人生の新たなステップに進む時期に来たような気がします


まずはこの1ヶ月ほど時間を浪費した家問題。

昨日で漸く、ひとまずは落ちつきました。


大変でしたが、今回学ぶことがたくさんありました。


そもそも、9月にパリ中心地にある、

2階建てのアパートに格安で引っ越すことになったのが始まり。


そこは大家さんが日本人で、

その方が日本に帰っている間、

手紙の管理や家の管理、ちょっとした手続きなどを受け持つ代わりに、

格安で住ませてもらえるという、又貸しの物件でした。


とっても好条件かつ、内装なども自分で手を加えて良いということで、

どんな風に改造するか、ポテンシャルの高い面白物件。

しかも、安い!とあって、

又貸しなど不安要素はあったのですが

迷わず飛びついてしまったのです。


さて、住み始めて1ヶ月ほど経った10月のある日。

家のドアに見慣れぬ紙が挟まっています。

小さなフランス語がびっしり。

何を書いてあるのか、よく分からないのですが

目に留まったのは、重要!という文字と裁判所!という2文字。


これは、マズい。


又貸しがバレたのか?
(前回住んでいた人はバレて通報され、
急遽退居させられたという曰く付き物件ではあったのです)


とにかく緊急の予感がし、

慌ててフランス人の友人に解読してもらうことに。



紙を手にして、驚く彼女。

きちんと説明できているか自信がないからと、

法律を勉強している友だちにも電話をしてくれ、

分かったことには、

これは差し押さえ令状だということ。

裁判所に何か書類を取りに行かないといけないこと。

3ヶ月以内に差し押さえ人が全ての所有物を差し押さえにくるということ。



もうここからが大変で。

裁判所っていう響きにすでにビクビク。

大家さんに急いで連絡をとりました。

このまま住んでいて荷物が差し押さえになるのは困るし、

裁判所とのやり取りまでお願いされては

とてもじゃありませんが荷が重過ぎる。


長期で住ませてもらう予定でしたが、

フランス人でもすぐに分からないような

裁判所からの手紙に対応するのは私には難しいこと、


私の間違いなどで大家さんの家が取り上げられることになっては、

責任を取りきれないことなどを説明し、

また急遽引っ越しをすることにしたのでした。


しかし大家さんはすでにフランスで何度か裁判もしたことがあり、

差し押さえ令状が来たぐらいでは、すぐにどうにかなることはないと

とくに焦ることもなく、落ちついた対応。

しかし私は怖い!



さて、10月中旬。

またも慌てて家探し。

今回は日本人向けサイトでも探しつつ、

そろそろフランス語サイトで自力で見つけられるようになりたいと思い、

papという個人間で物件のやりとりができるフランスのサイトや、

コロカシオンを探すサイトなどで物色。


できれば1人で住みたい、なるべく安くで住みたいと思い、

選んだのが、憧れだった屋根裏部屋の小さなお部屋。


運良く、サンジェルマンデプレ近く、

サンシュルピースに6階エレベーター無し、

9平方メートル、メザニン付、シャワーあり、

トイレ共同の小さな屋根裏部屋を発見。

大家さんに電話をしてみると、

たまたま日本大好きのフランス人。



フランス人大家さんの物件の場合、

フランス在住の保証人を求められたり、

家賃を半年や1年分先払いしないといけなかったり、

外国人には難しいこともあるのですが、

日本人に対してとっても良いイメージのある大家さん、

保証人も無しで貸してくれるとのこと。


住居の契約書などもきちんと分かりやすく説明してくれるし、

大家さんの感じが良かったこと、

お部屋の趣味もさっぱりとしていてセンスが良かったこと、

何より家賃445ユーロかつ、住宅補助が恐らく200ユーロ出るので、

電気代などを併せても300ユーロほどで住める、安い!ということから

すぐにこのお部屋に決めたのでした。



しかし、すでに何点か不安な点はあったのです。

まず、DIYしたというメザニンベッド(ロフトとか、中2階のようなもの)。

これがとっても小さい!

170センチメートルの私だと、丁度ピチピチ。

天井も低いうえに斜めになっており、圧迫感があります。


ま、でも前回の住人は7ヶ月ほど住んでいたというし、

寝れないことも無いでしょう…と心の声に蓋をしました。



そして問題は、窓を開けても景色が全く見えないこと。

3メートル×3メートルほどの

小さな中庭とでも言うのでしょうか?

窓を開けても、建物に囲まれたデッドスペースに面しているため

向かいの窓と、屋根、そして少しの空しか見えないのです。




ベッドが狭いこと、景色が見えないこと。

この2つが大きな懸念材料でしたが、

安い、立地も良い、大家さんがすごい親切

と3拍子揃っていること、

差し押さえ人から手紙が続々届くアパートにいるのが

毎日緊張して辟易していたこともあって、

11月1日にここへ越す運びとなったのでした。



引っ越し当日。

友だち4人ほどに力を貸してもらい、

計3往復ほどしてメトロで何とか全ての荷物を運び終えました。


くたくたになって眠りについた新居初日。

…が、全然眠りにつけません。

元来、とっても寝付きの良い私。

ベッドはもちろん、メトロでも教室でも

どこでもすぐにスヤスヤ眠れるので、

今まで寝られず困ったという経験がありません。


ところが寝返りをうっても、次第に気分が悪くなり、

心臓が痛くなってきます。



もしかして、閉所恐怖症…?

そう考えると増々気持ちが悪くなり、

とりあえずマットレスを下に引きずり降ろし、

1階で寝てみることにします。



が、下に降りたところで9平方メートルの極小部屋。



人生で初めて経験する気分の悪さが襲ってきます。

溺れかけている時の圧迫感と苦しさに、

車酔いをしているときの気持ちの悪さを足した感じ。

そして回りから押さえつけられている気分になり、

心臓がハラハラしてきます。


気分を落ち着けるため廊下に出て、

トイレに行ってみて、水も飲んでみて、

窓を開けてキッチンの流し台に上がり座りこみました。


風を感じると、少し気持ちの悪さは無くなりますが、

如何せん景色が無い。

見えるのは灰色の建物と、灰色の冬の空。



今度は気分の悪さよりも、

ここから出ないと、飛び降りないと、

という不安が襲ってきます。


肝心なのは、「飛び降りたい」というのは

全くもって死にたいという意味ではなく、

とにかくこの空間から出て楽になりたい、

その為に窓から外に出たい、出たい出たい!という気分。



漸くこれは普通じゃない、マズいぞ!

と気づいた時は深夜2時前。


その時にふと、「今ダリアに連絡しなきゃ」と思い、

まだ起きているかとテキストを送ってみると、

すぐに、どうしたの?大丈夫?と返信してくれ、

大丈夫じゃない、と返信すると電話をかけてくれ、

寝れないことを話すと、わかった今すぐうちに来なさい、

タクシーを回すから住所を送るようにと言ってくれ、

無事にダリア宅に救出されたのでした。



ダリアとは、ルームメイトを探していたときに、

丁度ルームメイトを探している子がいるよと、

台湾人の友人スルが紹介してくれた、

彼女の友だちのウクライナ人の女の子。


9月頃に出会ったばかりなのですが、

今まで私の友人にはいなかった、かつ周りにはいなかった

個性的な子で面白い。



知り合って長い訳でもないのに、

何故かこの緊急事態のとき、

ダリアなら絶対助けてくれる!と直感が働き、

本当に最高に助けてもらいました。


2時過ぎに家につき、

丁度ダリアの友だちのウクライナ人セルジュも泊まりに来ていたのですが、

私の寝るところもセットして待っていてくれ、

暖かいお茶を煎れ、お腹空いてるでしょ?

甘いものか塩っぱいものかどっちが食べたいかと聞いてくれ、

フルーツのプレートを作ってくれました。



いやあ、本当に私、もっと人に寛大に、優しくならないとなあ。

深夜に押し掛けて来た人を

こんなにパーフェクトに迎え入れられるなんて、

尊敬します。


翌朝、ひとりで帰るの怖いんじゃない?と

ダリアとセルジュが一緒に家まで送り届けてくれました。



ダリアとセルジュが家を見て言うことには、

ここは人が住む場所じゃない!すぐに出た方が良い、とのこと。



その通り。

寝られない家では生活ができない!



ということで、また引っ越しすることにしたのでした。


幸い、住宅の契約書には最低契約期間は無く、

それでも普通1ヶ月で出るっていうのはどうかと思うけれど、

大家さんに連絡を取ると、

今月の家賃はもう払ってしまっているので、

今月末退居ということで

すぐに解約の手続きに入ってくれました。

本当に大家さんも良い人で良かったです。


ここから色々な場所を転々とする日々が続き、

住む場所の大切さを改めて、いや、初めて突きつけられました。


とっても憧れていた小さな屋根裏部屋生活。

私には出来ないことが分かりました。

小さい場所には住めない。



若いし、自分で工夫してどんなところでも

楽しく暮らせるようになりたい、

パリで貧乏暮らしってなんか憧れる

なんて思っていましたが、自分には向いていないということが

ハッキリ分かりました。



今までお金を節約することばかりに必死になり、

生活の質がどんどん低下していたように思います。

遂に貧して貪してしまいました。


まずは安定した心地良い住処がないと、

何もやる気にならない。

料理もつくる気にならない。

何か新しいことに挑戦しようという気にもならない。


住む場所が、生活を造るという言葉の意味が漸くわかりました。


収入に合わせて住む場所を選ぶのではなく、

自分がこんな人になりたいと思う人が住んでいる場所や、

こんな場所に住みたい!と思うような場所に

背伸びしてでも住んでしまうことが、

やりたいことを叶えるのに良い方法だと聞いたことがありました。


でも、やっぱり毎日の家計簿や

毎月の収入、貯金を計算すると、なかなか怖くて出来ない。

自分がいつかそんなに稼げるようになるか不安に思っている、

逆にだからこそ、なかなか稼げるようにならない、

お金に執着し過ぎて

負のスパイラルに陥っている自分に気づかされました。



これに気づけただけでも、

痛い授業料ですが払って良かった。

良い経験になりました。




という訳で、

今は、ルームメイトが出て行ったばかりの

ダリア宅のサロンのソファに住んでいます。


全くプライベート空間が無いというのが問題ですが、

北マレの良い場所。

大家さんの趣味の良い素敵なアパートで、

暖かく快適です。

今は1人では住みたくない気分だったので、有り難い。


とりあえずは一緒にルームシェアをしていけるか

試してみようということになり、現在に至ります。



いやあ、人生何が起こるかわかりませんねえ。

まさか友だちの家のソファに住むことになるとは、

予想していませんでした。



でも、これは私にとって、本当に良いチャレンジと、

転換期であると思っています。



まず、日本人や東アジア圏の友人の間では

なんとなく、あうんの呼吸で分かるところがあるのですが、

ダリアと一緒にいると驚くことが多いです。



そんなこと頼むんだ!と思うような、図々しいような時もあるけれど、

逆にこちらも遠慮せずに言うと、全然嫌な顔もせず聞いてくれます。

図々しいのではなく、遠慮する基準が違うんだなあ。


そして、ついつい自分の要望を述べる前に、

相手の要求に無意識に応えようとしたり、

自然と相手の都合を考えてしまうのですが、

ダリアには、

「もっと交渉することを学ばないとダメ!

言ってみたら意外と聞いてもらえたり、

違う解決法がみつかるんだから」と言われました。


なるほどなあ。


それからは、こうしてほしいとか、

気づいたことは言うようにしています。



そしてとっても良い刺激になるのが、

ダリアもダリアの友だちも

クリエイティブな面白い人が多いこと。

なんだかダリアの周りには魅力的な人が多く、

あ、私も何かしなきゃって気分になります。



丁度そんな時に、たまたま私の写真をどこかで見てくれた、

パリ近郊在住のセラミックアーティストの方が

連絡をしてきてくれたのです!



一度お話してみたいと言うことで、アトリエを訪ねてきました。


この方もとても魅力的な方。

陶芸作品の販売を通して、今はレストランの内装のアドバイスをしたり

イメージのコーディネートをするお仕事も始めてらっしゃいます。


ところが、コラボレーションしているレストランのひとつの

インスタグラムとフェイスブックページの写真がダサイ!

究極にダサイ!これではダメだ、誰か写真を撮ってくれないかな

と思い、私に連絡をくれたのでした。



と、いうことで

これからレストランのインスタグラムとフェイスブックの運営をする

という新しいお仕事をさせてもらえることになりました!!

もちろん、お金もいただけて、お仕事としてさせてもらえます。

嬉しいなあ!


早速、レストランでもご飯を食べさせてもらい、

撮影にも行ってきました。



それから、その方のホームページもリニューアル予定ということで、

ホームページ用の作品写真の撮影もさせていただけそうです。



嬉しいなあ!

カメラマンとしての仕事が増えて来ました。




ここ1ヶ月ぐらいでたくさんの人と話す機会があり、

良い刺激をたくさんもらっています。

今まで自分で自分を小さい枠に容れていて、

自分で自分の出来ることを小さく決めつけてしまっていました。


自分のやりたいことでもっと出来ることがあるし、

何かつくり出すこと、美しいことに関わること、創造的なこと、

私なら写真を撮ること、文章を書くことで

やるべきことがあるし、できる。



小さいことに執着して視野が狭くなっていました。

特にお金には縛られ過ぎて、今楽しいことを忘れてしまっていました。

不安は手放してみて、良い方向に行くと信じて

動き出してみることにします。



まずは生活を見直し、時間の使い方を見直し始めました。



これからどんな風になっていくのか、楽しみです。
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by nanaoparis | 2016-11-21 02:28 | パリ日記