マレ地区をお散歩していると、
以前パリ旅行中に訪れた懐かしの
スウェーデンセンターこと Institut suédois に
行き当たりました
11 rue Payenne 75003
探していてもみつからないのに、
思いがけない時にたどり着きます
相変わらずシック
中庭のあるコの字型の古い建物
一階には小さなカフェとギャラリー
大きな建物なので、他にも何か展示やイベントなどが
あるのかも知れません
パンフレットが小洒落ていたのでメインギャラリーへ
入場無料、自由に入れます
"Re Rag Rug" という展示
部屋に入ると大きなラグがどん
素敵な色遣い
Tシャツ生地を紐のようにより合わせて編み込んだ生地や
ウールにダダダッと走るミシン跡
それぞれのラグに異なる素材、異なる風合いがある
鮮やかですが、作り込み過ぎていない
布の分量が多いのかたっぷりとした印象で、
心地良いおおらかな雰囲気のラグ
ラグ好きではなかったけれど、
壁にかけられた1番大きなラグには、ぜひお部屋に敷きたい!
と思わせる魅力があります
ラグだけでも惹かれる展示でしたが、
展示案内のチラシを読み、さらに好きになりました
このラグ、捨てられるはずだったTシャツやセーターを
集めて作っていたのです
" We design and make experimental handmade rugs
out of materials that are usually considered worthless. "
[何の価値もないと思われている素材をデザインし、
実験的なラグを手作りました]
2003年から活動するスウェーデンの
Studio Brieditis & Evans という
デザインやクラフトの制作を行なっている2人組の作品で、
リサイクルに関心があるそう
今回の Re Rag Rug Exhibition は
12ヶ月かけ、12種類の異なるラグを
はた織り機を使わない12の技法によって制作した
1年間のプロジェクト
「もともとこの企画は、自由で実験的な手法を用い
高い芸術性をもったラグを作ろうという取り組みで、
捨てられる生地をリサイクルすることはおまけのようなものでした
しかし、普通のデザインとは逆のアプローチ、
つまり、白紙からデザインを始め、新しい生地を作るのではなく、
捨てられるはずであった生地を素材とし、
それぞれの生地が持っている特長を
最大限に引き出す技法を考えなければなりません
限りある色の生地しかないことは挑戦し甲斐のあることでしたし、
この企画から、デザインを考える上での
興味深い表現能力と高い芸術的価値へのインスピレーションを得ました
このプロジェクトは、
どのようにしてデザインが持続可能な仕事をすることができるか
そして一見なんの価値もないように見える素材に
価値を与えることができることを示すひとつの例です
ほとんどのラグは広いスペースや
機械を必要としないクラフト技術を使い作っているため、
繊維工業を行なう国にある家内工業を行なう小さな家でも、
製造することができます
不要なものから新しいものを作り出す生産方法は、
経済的で持続可能であるだけでなく
手工業の仕事を生み出すプラットフォームとなることで、
社会的にも持続可能となります」
(抜粋/意訳)
All material is good material if only you find the right use for it.
全ての素材は良い素材です。あなたが正しい使い方を見つけさえすれば
このような手法を確立させるために、
バングラディシュ、パキスタン、ケニヤ、
ザンビア、南アフリカ、チリ、ペルー、モルドバなど
繊維業を行なっている国を巡っているそうです
かっこいいなあ!
特別な機械などが不要な手作業でできる手法を用い、
リサイクルするというコンセプトも良いけれど、
何より、その製品自体が、コンセプトによらず魅力的
というのが素晴らしい
日本で見るものには、
コンセプトはとっても良いけれど、
でもさすがにこれは買いたくないよ...
とか、アートと言えばなんでもアリなの!?
というものが多過ぎる
(ただ、鹿児島にある社会福祉施設しょうぶ学園の作品は別
前に施設長 福森 伸さんのインタビューを読んで以来気になっています
http://www.mammo.tv/interview/archives/no309.html
すごく工夫と知恵の必要な方法で、簡単ではないけれど、
障害に関わらず誰にも参考になる考え方だと思います)
観賞後はカフェへ
ここのお姉さん、びっくりするぐらい感じが良くて
とっても居心地が良いです
パリって、ふてぶてしい店員さんが基本なので、
たまにサンパな方に出会うと、
すごくラッキーな気分になります
フェタチーズとフェンネル、合うなあ