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パリの法隆寺

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テロが起きて


昨日、今日とネットやFacebookでテロについて読んでいます

いろんな反応がある



テロを悲しむ人

憤る人

家族や知人の安否を確認するやりとり

プロフィール写真をフランス追悼バージョンに変える人

それについて疑問を呈する人

今こそ連帯を求める人

難民支援に疑問を唱える人

テロに反対するデモに参加表明する人

日本の報道の遅さ、対応を嘆く人

シリアへの空爆に目が向けられていないことを伝える人




幸いにも私は無事で、知人で巻き込まれた人もいませんでした


だからこそ、冷静に見つめ、考える必要がある

なぜこんなことが起こるのか



13日の金曜日、パリは確かに被害者でした

殺された人たちには、罪もなかった

どんな理由であれ、テロは許されない



ただ、私は被害者にもなりうるし、そして加害者にもなりうる


世界的に見て、豊かな生活を送るとき

無意識のうちに当然のごとく

より弱い立場の人から何かを奪取しているかもしれない


知らず知らずのうちに、偏った考え方へ促され

誰かが犠牲になっているかもしれないことに

想像力が働かなくなる



確かに、シリアが空爆されるとき

一般市民も被害に合うんじゃないか、と疑問に思っただけで

一体なにが起きているのか気にとめていませんでした





では、今私にはなにができるのか



以前、村上春樹と読者とのやりとりを読んでいたとき、

村上さんはあまり新聞やテレビは見ず、

インターネットやSNSもあまり使わない

それよりも本を読むと言っていた


でも、彼のスピーチを読むと決して社会に無関心な人ではなく、

しかも良い視点を持っている人だと感じました


読書は思考力を鍛えるし、

自分と異なるもの、人、考えへの柔軟性を高めると思います

困難な時こそ、そういった柔軟性

普段の生活ではあまり鑑みられず、しかし

一朝一夕には身に付かない力が試されると思う






花森安治さんは、終戦を迎えたとき

戦争をとめられなかったことを悔い

二度とこのようなことが起きないためにはどうすればよいか考え、

生活雑誌「暮らしの手帖」を創刊されました

一人ひとりが審美眼を磨き、それぞれの生活を大切にすることが

戦争の無い世界に繋がると考えたのです


古い暮らしの手帖を手に取ると、

例えば人気連載商品テスト

トースターの耐久性、焼加減、使用感を比べるため、

トースト約4万3千枚を実際に焼いて比べてみたり

他にも絨毯を比べるときは事務所に敷いて、

3年かけて使用した結果を比べたり


ひとつの商品を選ぶまでに、

ここまで頭をひねり、日常生活の中で思考力を鍛えるという

姿勢、その発想に感銘を受けました


広告や周りの意見に流されず、

自分で試し、考え審美眼を磨くこと


自分の生活を大事にすることは、

そのまま他者の生活にも配慮する想像力に繋がると思います




平和な世界を目指す方法はひとつじゃない





それから先日学校で知り合った、

台湾人のお友だちSuruのお家に遊びに行ったとき


ふと気になって、台湾と中国の関係について聞いてみました


日本語ペラペラのSuruの説明は、とても分かりやすく

(なんと日本語は日本のテレビドラマを観て、テレビとお喋りして学んだとか!)

自分の国やアイデンティティについてきちんと考えを述べられることに

本当に感心しました



でも、1年前にフランスに来たときは、

フランス人から同じ質問をされても、語学力も知識も足りなくて

説明できなかったことがすごく悔しくて

それから初めて一体自分は何人なのか、台湾とは何なのか自分に問い、

歴史やデータ、いろんな人の考えを調べ学んだんだそうです


今は自分の考えを説明できるようになって嬉しいと言っていました


こちらこそ、勉強になったなあと思っていたら

Suruの方から、ありがとうと言われてしまいました



こちらに来て1年、気の合う友だちもでき、

楽しいシェアハウスも見つかって、

最近は以前ほど新しい人と関わろうとしてなかったそうです

でも、今日話せて、とても良かったと言ってくれました



ワーキングホリデーで日本にいたこともあり、

日本人の友だちも多いSuru

でも、日本人とは今日みたいな重い話ができない

天気とか食べ物、彼氏の話とか、軽い話しかできないと感じていたそうです


でも、1人とっても仲の良い日本人の友だちがいて、

その子と真剣な話をたくさんして、そんな日本人は今までいなかったから

とても良い経験になった、そのことを私と話して思い出してくれたそうです



そして

「どうして日本人は重たい話はしないの?」

と聞かれてしまいました


そう、なんでだろう

大事なことなのに




語学学校にはいろんな国の人がいます

いろんな文化や考え方と出会い学ぶチャンスでした


多様な考えに触れること

それが今私に出来ることかと思います



それは社会や国を動かすことではないけれど、

興味を持つこと、真剣に話し合うこと

自分の考えを述べること

耳を傾ける姿勢を持つことは


自分の周り3人とか10人ぐらいには

何か良い影響を与えるかも



そして何か大きな出来事が起きたとき、

一般市民が簡単に煽動されず、

偏った考え方にどっと流されることがない柔軟さ

冷静な分析力、そして想像力を鍛えていれば、

世の中も少しよくなるかもしれない
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by nanaoparis | 2015-11-15 22:54 | パリ日記
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